【生命科学】DNAリガーゼ【用語解説】

生命科学

DNAリガーゼは、二本鎖DNAの切断面(ニック)を結合させることを特徴とする酵素の一つです。この酵素遺伝子クローニングやライブラリ調製等に活用されています。また、細胞内においてはDNA修復や組換え等に関与しています。

反応

DNAリガーゼは、DNAの5’末端のリン酸基と3’末端のヒドロキシル基を結合させてニックを結合させることができます。

リン酸基が5’側と3’側のどちらにあるか間違えないように注意します。

また、DNAリガーゼATPやNAD+などの高エネルギー化合物を必要とします。このような化合物からエネルギーを得て、DNAの5’末端のリン酸基と3’末端のヒドロキシル基間に新たなホスホジエステル結合を形成します。

構造とメカニズム

DNAリガーゼATPやNAD+からピロリン酸を取り込み、活性化リン酸として一時的に自身のリジン残基に結合させます。

その後、ニック上の5’末端のリン酸と3’末端のヒドロキシとが反応し、ホスホジエステル結合を形成します。その際、一時的に結合させていたピロリン酸が解離し、活性化リン酸がニック結合のエネルギー供給源となります。

応用

DNAリガーゼ遺伝子工学のさまざまな場面で重要なツールとして利用されています。遺伝子クローニングやライブラリ調製、多型解析・突然変異解析、DNA修復研究など、多岐にわたる用途があります。

特に、ライブラリ調製では、ゲノムライブラリやcDNAライブラリの作製など、大量のDNA断片をベクターに連結させる際に使用されます。また、遺伝子クローニングでは、特定の遺伝子ベクターに組み込む際にも利用されます。このプロセスにより、きわめて特異的な遺伝子のコピーを大量に生産することが可能となります。

参考書籍

バイオ実験基本セット

バイオ実験イラストレイテッド

生命科学基礎セット

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